茨城県と世界湖沼会議

茨城県では、1995年(平成7年)に第6回世界湖沼会議をつくば市および土浦市を会場として開催しました。世界湖沼会議の開催は、23年ぶり2回目となります。

第6回世界湖沼会議では、湖沼が抱える富栄養化などの様々な問題の解決に向けて、世界の最新の研究成果について学ぶ機会が得られるとともに、水環境保全活動へ市民参加を促進する契機となりました。

この会議での討議を通じて、世界の湖沼の現状や課題が明らかにされるとともに、湖沼環境の保全に関わりを持つ人々が連携することの重要性や国際協力の必要性が認識され、最終日には、21世紀に向けた行動指針となる「霞ヶ浦宣言」を世界に向けて発信しました。

県では開催期間中の国際湖沼環境政策フォーラムにおいて知事が提唱した霞ヶ浦をはじめとする県内の湖沼、河川の水環境の保全に取り組むための拠点施設として「茨城県霞ヶ浦環境科学センター」を2005年(平成17年)に設立しました。霞ヶ浦環境科学センターでは「調査研究・技術開発」、「環境学習」、「市民活動との連携・支援」、「情報・交流」の4つの機能を、市民、研究者、企業、行政4者のパートナーシップのもと、効果的に発揮できる運営を目指しています。

また、2007年(平成19年)には、工場・事業場排水の窒素・りん規制が主な内容であった「茨城県霞ヶ浦の富栄養化の防止に関する条例」を全面的に改正し、流域のすべての人々が生活と生産のあらゆる面で水質保全に取組むことを目指す「霞ヶ浦水質保全条約」を制定しました。

さらに2008年(平成20年)には、水質浄化も目的とした自主税財源である森林湖沼環境税を全国で初めて導入し、生活排水などの汚濁負荷量の削減、農地からの流出水ほの対策、県民参加による水質保全活動の推進、水辺環境の保全などに取り組んでいます。

第6回会議以降の成果を世界へ発信することで、世界各地の水環境を取り巻く課題の解決に貢献したいと考えております。みなさまのご参加を、主催者一同こころよりお待ち申し上げております。